特定空家に指定されるリスクとは?条件や改善策をご紹介!
2022.3.28
近年、空家問題が増え続けていますが、その改善策として2015年5月から「空家等対策の推進に関する特別対策措置法」が施行されました。それに伴い、全国各地で特定空家の指定がなされています。特定空家とは一体何でしょうか。指定されるリスクや対策などを解説します。
特定空家に指定される不動産
特定空家とは、放置することが不適切な空家のことを指します。では、具体的にどのような不動産が特定空家に指定されやすいのでしょうか。指定条件を以下でご紹介します。
倒壊等保安上危険のある建物
建物が破損していたり屋根が落ちてきたりする可能性のある建物は特定空家に指定されます。建物に大きな傾きがあったり、基礎が腐食していたりする場合は災害などで倒壊する恐れがあるため危険です。
著しく景観を損なっている建物
建物に落書きがされていたり草木が生え過ぎている場合も周辺の景観を損なうため、特定空家に指定されます。窓ガラスの破損や不法投棄、植物の放置などは周辺環境と著しく不調和であるため、指導が入る場合がほとんどです。
著しく衛生上有害になる建物
空家にゴミが放置されていたりアスベストが飛散していたりする場合は近隣住民の衛生上良くないため、特定空家に指定されます。不法投棄されたゴミを放置しておくと、害虫や害獣被害にも繋がってしまうため、早急な対策が必要です。
周辺環境保全を図るために放置することが不適切である建物
立木が腐食して道路や近隣住宅に侵入していたり、空家に動物が住みつき、騒音や異臭トラブルが起きたりしている場合も特定空家に指定されます。施錠がされておらず、不法侵入のリスクがある空家もこの条件に当てはまります。
特定空家に指定されるリスク
特定空家に指定されるリスクは何でしょうか。以下で代表的なリスクをご紹介します。
改善指導が入る
不動産が特定空家に指定されると、市役所などの行政から改善指導が入ります。助言や指導をおこなっても改善されない場合は一定の期間を得て、勧告を受けるのが一般的な流れです。
固定資産税の優遇措置が解除される
勧告を受けても、その内容に従わない場合は固定資産税の優遇措置が解除されます。一般的に居住住宅は固定資産税が6分の1まで減額されますが、勧告を無視した場合は全額負担しなければなりません。
固定資産税の優遇措置が解除された後は、一定の猶予期間が設けられ、再度、改善措置命令が届きます。命令に従わなかった場合は行政代執行法に基づいて、代執行の時期や見積額などが通知され、強制執行となるため、注意しましょう。
解体が強制される
自治体の指導や勧告に従わなければ、建物の解体を強制されます。建物解体後の更地は住宅用地の特例に該当しないため、固定資産税も上がります。もちろん解体の際に必要となる工事費用も自己負担です。固定資産税を支払えない場合は土地を売らなければならないため、自治体からの指示には従うようにしましょう。
罰則の可能性もある
特定空家に指定されたにも関わらず、改善がされない場合は50万円以下の罰金が課せられます。最終的には解体費用を強制的に支払わなければならないため、早急に対策を取りましょう。
特定空家に指定されないための対策
特定空家に指定されないためにはどのような対策ができるでしょうか。おすすめの方法を解説します。
建物の管理を徹底する
特定空家に指定されないためには建物の管理を徹底することが大切です。定期的に物件を訪れ、掃除や補修、草刈りなどをおこないましょう。遠方に住んでいて定期的な管理が難しい場合は空家管理業者に依頼することをおすすめします。
賃貸に出す
空家を賃貸として貸し出すのもおすすめの方法です。特に戸建ての賃貸は希少価値が高く、郊外であっても入居者が見つかるはずです。賃貸として空家を活用することで収入アップも図れます。
コミュニティスペースにする
空家は賃貸の他にも地域のコミュニティースペースとして活用できます。人の出入りがあることで、建物の劣化スピードを遅らせることも可能です。その地域のニーズに合わせて、コンセプトなどを決めていきましょう。
売りに出す
活用予定のない空家は売却をする方が効率的です。売却をすれば、固定資産税の支払いや建物管理の手間を省くことができます。弊社でも不動産売却のご相談を承っております。
最後に
特定空家は周辺環境や近隣住民に悪影響を及ぼす空家です。建物の老朽化や衛生面で不適切な空家は指定されやすいため、注意しましょう。もしも、特定空家に指定されてしまったら、自治体の指示に従いましょう。最小限の負担で済むように空家の管理は徹底することをおすすめします。