更地をそのまま置いておくと損する!?土地活用方法をご紹介
2020.12.21
解体工事が済んだ更地をそのままにしておくと、建物があった時よりも固定資産税が高くなるのを知らない方が多々いらっしゃいます。
今回は、解体後の更地をどのように活用できるのかいくつか例を挙げて、そのメリットやデメリットもあわせてご紹介したいと思います。
建物がなくなった更地は、固定資産税があがります!
まずは更地のままではなぜ固定資産税が高くなるのかという点についてご説明いたします。その前に固定資産税とは何かを知ることが大事です。
固定資産税とは、毎年1月1日時点で住宅や土地などの不動産に課せられる税金をいいます。固定資産税課税台帳というものがあり、そこには不動産情報が記録されています。それを基に対象の不動産所有者に納税通知書が届き、所有者は支払いが義務づけられています。
実は更地にすると税金が高くなるというよりも、「標準通り固定資産税が課せられる」というのが正しい表現です。住宅がある土地には税額が軽減される措置があり、それを「住宅用地特例」といいます。
解体することによって住宅用地特例の適用がなくなり、通常通りの税額に戻るということです。その額は建物がある時と比較すると、約3~4倍、最大で約6倍になるケースもあります。更地にした状態で所有するのではなく、違った形で活用する方がより賢く資産運用できるのでおすすめします。
参考にしたい土地の活用法
更地のままだと今までよりも多く固定資産税を払わないといけないと知っても、どのように活用すればいいか分からないという方もいるのではないでしょうか。そこで活用法を4つご紹介したいと思います。
1.駐車場
①メリット違う土地活用よりも初期投資を抑えられる
駐車場を整備するためにかかる費用は、数十万~数百万円程度なので初期投資を抑えられるのが大きなメリットといえます。
②広さや形に限られることなく、どんな土地でも活用できる
解体工事は大きな建物や住宅もあれば、小さな店舗や空き家などその対象は様々です。狭小な土地や、変形した土地に新しい建物を建築するのは色々な難しい点が生じます。駐車場ですと、車を数台停められる土地でさえあれば問題ありません。
③転用しやすい
いざ駐車場をつくったものの、「事情があって売却したい」なんてこともあるかもしれません。建築された建物を解体して更地に戻すよりも簡単なので、売却するまでがスムーズに行えるのが強みです。
―デメリット
①税制上のメリットは期待できない
駐車場のように建物がないことで起こるデメリットもあります。前述したように、アパートやマンションなどの住宅は住宅用地とみなされ、固定資産税や都市計画税の優遇措置があります。駐車場には優遇措置がありません。
②収益性は高くない
アパートやマンションの賃料と比較すると駐車場の料金設定は低め。その分収益性も低くなります。地域によっては車を所有しない人も多く、今後電車や他の交通機関を使う人が増えると駐車場の稼働率も自ずと減る可能性があります。
2.コインランドリー
―メリット
①安定した固定客を獲得しやすい
一人暮らしや洗濯機がない人にとってコインランドリーはとてもありがたい存在です。利用する人はリピーターが多く、固定客になる可能性が高いです。事前に地域柄やどんな人が住んでいるのかを調べて、コインランドリーの需要があるかどうか見極めると良いかもしれません。
②人件費がかからない
コインランドリーで必要なのは機械のみ。お客さん自身がやるのでスタッフも必要ありません。つまり人件費がかからないのが大きなメリットです。
③前払いが基本なので未回収のリスクは少ない
クレジットカードを扱う店舗に比べると現金が基本なので「未回収だったらどうしよう」という心配が少ないといえます。
―デメリット
①初期費用・設備投資にコストがかかる
更地にした土地なので土地代はかかりませんが、大型の洗濯機、乾燥機など設備はどうしてもコストがかかってしまいます。人件費などの運営コストが安い分、初期投資にはまとまった資金が必要になることを覚えておきましょう。
②ライバル店ができると売り上げに響く
競合店が近くにできてしまうと、お客さんも分散される可能性があるため売上は自ずと下がってしまいます。コインランドリーは他店舗との差別化、独自のブランディングが難しいのでライバル店の出現は大きな痛手になるかもしれません。
③撤退や移転が困難
大きな設備を扱うため、一度経営を始めると撤去や移転が困難になることもあります。事前に立地や収益を得られるかを確認しておく必要があります。
3.太陽光発電
―メリット
①安定した収入を得ることができる
太陽光発電の一番のメリットは、安定した収入が得られるという点です。太陽光発電は固定価格売買制度(FIT)というものがあり、売買制度を保証してくれます。駐車場のように流動的な収入ではなく、売電収入という形で毎月一定の同じ額を得ることができます。
②場所を選ぶことなく活用できる
太陽光発電は自然の太陽光さえあればどこででも発電できるのがメリットです。アパートやマンションなどの不動産投資は、ある程度人が集まる場所や利便性が求められますが、太陽光発電は田舎の空き地でも収入を得ることができます。
③簡単に運用できる
太陽光発電と聞くと、何か難しいものを想像したり、できるか不安に思う方もいらっしゃいます。ですが、実は素人でも投資しやすいのが利点です。設置自体は専門業者が行ってくれるので問題ありません。
―デメリット
①ソーラーパネルの設置に費用がかかる
土地の広さや使うパネルの枚数によって費用は異なりますが、事前にどれぐらいかかるのか問い合わせておいたほうが安心です。ご自身が投資できる範囲で設置することをおすすめします。
②設置に伴う近隣への配慮
太陽光発電ではパネルの設置向きによって反射してしまうことがあります。一般的に住宅の屋根に数枚設置する物と違い、土地全体にパネルの枚数を設置するとなるとその分反射し、近隣の方へ迷惑になることもありえます。
4.コンテナルーム
―メリットー
①少しへんぴな場所でも活用できる
コンテナルームは土地の形や、周辺に生活施設が整っていないような場所でも利用できるのがメリットです。
②必要なインフラは電気のみ
アパートやマンション投資を始めるには、電気、ガス、水道など揃えないといけないインフラがたくさんあります。コンテナルームは電気のみで事業化できるので、費用も抑えられます。
③土地活用がしやすい
売却することになっても、アパートやマンションと比べると容易に更地に戻すことができるので気負いせずに始められます。
―デメリットー
①節税効果は期待できない
コンテナルームはコンテナを事業用の償却資産として申告すると、減価償却によって節税が可能でした。しかし、現在はコンテナルームを設置し継続的に使用すると、建築物として扱われ、家屋の固定資産税がかかります。
②集客が大変
コンテナルームはその使用率から集客が未発達な業態といわれています。建てたものの借り手がいないと、活用できずじまいになってしまうことも。SNSやチラシを使って積極的に宣伝して集客しないと収益は見込めないかもしれません。
以上、解体工事後の土地活用についてご紹介いたしました。これから解体工事を依頼される予定の方や、更地にして余った土地を所有されている方はぜひ参考にしてみてください。